今日まで飛んできた
いつの間にか5月が終わりに近づいている。
会社を辞めた年末はつい最近のことのように感じて、まるで大きな風に煽られて今日まで飛んできた気分。
寒い日々に心を痛み尽くし、私は傷を隠したまま笑顔で飛び散った。
私のなごりは誰かの心にまだ残っているのだろうか。
忘れてほしい切ない出来事も、覚えていてほしい愛した出来事も、二度と思い出さなくていいから記憶の片隅で眠っていてほしい。
私は固くそう想い、そして静かに6月を待っている。
資格試験を受けてからというもの、躁状態がひどい。
一気に部屋を片付けたり、多弁になったり。
でも仕方ないと思う。それほど試験はヘビーなものだから。
無事に司法試験に受かって、何になりたいかといえば弁護士になりたいと思う。
依頼人の相談に真摯に向き合えれば、業態や専門分野にこだわりはない。
こっそりカウンセラーの資格をとっても良いかもしれないと思っている。
相談にくる人は、誰かに話を聞いてもらいたいだろうから。あとは現実的なところで、簿記の資格だろうか。
そう考えていくと、私の人生は勉強ばかりだと思う。
あまり役に立てていないけれど、勉強が好きだから苦ではない。
もちろん、どうしようもなく息苦しくて机に迎えない時もあるけれど、それでも私は勉強が好き。
ところで、たまに私のように行政書士→司法書士→司法試験というステップアップを希望する人を見かけるけど、私は絶対に辞めた方がいいと思う。
私はたまたま、自分がどこまで挑戦できるか試そうとした結果、順序良くステップアップしただけ。
司法試験や司法書士を目指すなら、最初からラスボスを狙った方が良いと思う。
同じように見えて、全く違うものが世の中にはたくさんあるから。
綿毛みたいに飛んで消えたわたしが、またどこかで花を咲かせる日々を、私自身が望んでいることに気づく。
大輪の華を咲かせることに憧れていたわたしは今、小さな花になりたい。
誰かに踏みにじられても、優しく吹き飛ばされても、笑顔の色を身につけて、また必ず咲く、小さな花。
いちいち思い出さなくていいから。
そこに咲かせてくれるだけでいいから。
私を愛でるのは、私だけ。